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ブルガリア伝統

ブルガリア伝統の特徴

ブルガリア伝統の一部、たとえばマルテニツァやスルヴァカネ等はキリスト教が広がる前に生まれましたが 現在それらの昔ながらの伝統にもキリスト教の意味が埋め込まれています。

バドニ・ヴェチェル, Бъдни вечер

クリスマス前の夜は家族全員集まって、一緒に食事をします。バドニ・ヴェチェルの食卓にあるもの は翌年もたくさんあると言われていますのでバドニ・ヴェチェルの料理が多いです。料理には肉や乳製品が ないのは決まりですが、その代わりにできるだけ多くの野菜、果物、インゲン豆、ロール・キャベツのサルミ、 ドライフルーツを水に戻して、甘いスープのオシャフやパンなどがあります。食事を終わったら、家族の全員は クルミを一個つず選んで、中身を見ます。クルミは白ければ、翌年はその人がずっと元気であると 言われています。

コレドゥヴァネ, коледуване

バドニ・ヴェチェル過ぎたら(夜中0時以降)、クリスマス(Коледа,コレダ)になり、 コレダリが動き出します。 コレダリとは結婚していない男たちの集団であり、各家庭を訪れて、特別な歌を歌って家族の幸せを願います。 お礼にドライフルーツ、お金、ラキヤ, ракия(ブルガリアの強い酒)などをもらいます。

健康をもたらすスルヴァクニツァ, сурвакница

お正月の日に子供たちはヤマボウシ, дрянの枝をドライフルーツやウール等で飾った スルヴァクニツァ, сурвакницаで親の背中をたたきながら、みんなの一 年の元気を願います。そのときお年玉ももらいます。

クリスマス、お正月の伝統を次のビデオでご覧ください:

お許しのシルニ・ザゴヴェズニ, Сирни Заговезни

復活際より47日前の日曜日の夜に家族みんな一人一人からお互いの許しを求めます。数年前にちょうど その時期にブルガリアにいました。教会に入ったら、70歳ぐらいのおじいさんは5歳の女の子から許しを求め ていました。これを見た私は感動のあまりで涙が出そうでした。実は、許すことがまったくなくても許しを求めたら、 みんなと仲良しでいたい気持ちが強く伝わります。本当のキリスト教はこの 気持ちで溢れていなくてはなりませんので、キリスト教の最大祭りである復活祭の準備期間(大齋) はこのようなお互いの許しから始まります。シルニ・ザゴヴェズニの晩御飯のとき天井からぶら下った糸に結んだ ゆで卵、ハルヴァ(かなり硬いお菓子)やリンゴなどをテーブルの上を回して、手を使わずに口だけで つかもうとする習慣をハムカネと言います。その翌日から復活祭まで卵や乳製品は 食べられなくなるので、その日は家に残った卵や牛乳を食べ尽くします。ちなみに、「カーニバル」の 語源は「肉」の意味であり、もともと肉を食べつくすことをさしています。ブルガリアのハムカネのビデオをどうぞ:

春のお守りマルテニツァ, Мартеница

マルテニツァはブルガリア代表的な伝統の一つであり、白と赤糸で作った春のお守りです。 冬の終わりの始まりは3月1日とされていて、 本格的な春がやってくるまで元気に生けられるようにマルテニツァを手首に結ぶか、胸につけます。 3月1日が近づくと、ブルガリアのどの町でも至る所までマルテニツァの販売店が並んでいます。 花を咲かせた木を見かけたら、すでに春がやってきたことになるので、その木にマルテニツァを結びます。

復活祭, Великден

最も重要なキリスト教の祝祭は復活祭です。復活祭の日は春分後最初の満月後の日曜日に 決まっているので、毎年その日が変わります。復活祭前の木曜日にゆで卵を染める日です。卵は 復活のシンボルであるため、キリストの復活を祝うときに欠かせません。最初の卵はイエス・キリストの血を 表している赤色で染めます。 その卵を使って、おばあさんやお母さんは子供たちは一年ずっと元気でありますような願いを込めて 子供たちの額に十字架を描きます。復活祭の朝食に家族の全員がゆで卵を一個ずつ選んで、ペアーになって 卵をぶつかります。この卵相撲で最後まで割れていない卵(ボラック、борак)を持っている人は勝ち。 復活祭前の木曜日にゆで卵のほかに、コズナック、復活祭にしか食べない特別な菓子パンの生地 もこねます。復活祭の日に教会ではとてもきれいな祈りがあって、家族そろって教会に行きます。 そして、復活祭から3日間友達へのあいさつはХристос воскресе!(キリスト復活!)、 その返事はВоистину воскресе(実に復活!)となります。復活祭の3時間の祈りの最後の部分のビデオを ご覧ください:

悪魔を追い払うクケリ, кукери

仮面をかけて、怪獣などの仮想をした男たちは、ベルトに鈴 を何十個もつけて、町を踊りながら回ります。怖い仮面と鈴の雑音によって悪魔が追い払われると 言われています。ガブロヴォ・フェスチバルに登場したクケリのビデオをご覧ください:

残り火の上を踊るネスティナリ, нестинари

聖コンスタンチンとエレナ, Свети Константин и Елена の祝日(5月21日)に裸足で残り火の上を踊るネスティナリはキリスト教と 古代の多神教の混合から生まれた伝統にしたがって踊るひとです。 本当のネスティナリは現在東南ブルガリアのいくつかの村にしかいませんが、この踊りは 観光客の人気を集めているので、黒海のリゾートにもネスティナリの踊りを見せる人が います。

へそを大事に...捨てる!

長女が生まれたとき名古屋の病院から乾燥させた、綺麗な箱に置かれた杏奈ちゃんのへそが送られました。 そのとき「病院までサービスに力を入れて、客を呼ぼうとしているだな」と思いました。日本にはだいぶ前から へそを大事にとっておく伝統があることは知りませんでした。実は、ブルガリアでは赤ちゃんのへそが落ちた 場所は将来その赤ちゃんの職場になるという言い伝えがあります。そのため、運命を「手伝う」ためにわざと 職場としてよさそうなところに赤ちゃんのへそを捨ててくるブルガリア人もいます。

プロシュタパルニック:赤ちゃんが歩き出す前に人生の道をうかがう

ブルガリアでは子供の将来をうかがう伝統がたくさんあります。前述のへそ捨てのほかにプロシュタパルニック (прощъпалник)という面白い伝統があります。赤ちゃんが完全に歩き出す前に小さな毛布の上に 円の形に様々な仕事を表している道具を並べて、赤ちゃんを円の真ん中におきます。当時まで見た ことのないばかりの「玩具」に覆われて、赤ちゃんは最初はどれと遊べばいいかちょっと迷ってから 大喜びであれこれを手にとったり、口に加えたりと遊びだします。やがて赤ちゃんは何かの道具を手に持って 毛布を出ます。そのとき赤ちゃんは手にした道具が大人になったときの仕事を表していると言われています。 プロシュタパルニックのビデオをご覧ください。

 

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バドニ・ヴェチェルの食卓

バドニ・ヴェチェルの食卓

クリスマスのバニツァ

クリスマスのバニツァ

スルヴァクニツァ

スルヴァクニツァ

スルヴァクニツァ

日本でもスルヴァクニツァを作って、お正月のブルガリア伝統を守ります

ハルヴァ

ハムカネでよく使われるハルヴァ

マルテニツァ

マルテニツァ

マルテニツァ

マルテニツァ,日本風

復活祭の染め卵

復活祭の染め卵

復活祭のコズナック

復活祭のコズナック

クケリの仮面

クケリの仮面

聖コンスタンチンとエレナのイコン

聖コンスタンチンとエレナのイコン

ネスティナリ

ネスティナルストヴォ
写真:Rumyana Panajotova